概要|乳腺外科

主な症状・病名

乳房検診希望者、乳房しこり等の訴えのある患者

患者さんへのメッセージ

 当科は乳癌診療を専門とし、診断から治療までトータルで乳癌を診ております。診断については、日本乳がん検診精度管理中央機構の指針に従ってマンモグラフィーやエコーの所見を評価し、必要な病変に対しては細胞診や組織診を行うことで、乳癌を極力見逃さないよう心がけております。治療については、日本乳癌学会の診療ガイドラインに則って、まずは現時点で最適とされている“標準治療”を提案し、状況が許さない方には、それに代わる治療を患者さんと相談しながら方針を決定していきます。また、乳癌は進行して他の臓器へ転移を来した際には、いろいろな薬をつかっても治ることが難しくなります。そういった方に対しては、薬物治療などを行っていきながら、できるだけ普段に近い生活を維持した方法を模索したいと思います。「治る方には“治る医療”を、治らない方には“よりよく過ごせる手助けとなる医療”を提供したい」と考えております。

 外来を受診された方には、当日の混雑状況によりますが、原則その日のうちに視触診・マンモグラフィー・エコー検査を行い、検査結果を説明しています。そして、必要な方には細胞診や組織診を行うことで、初診から1~2週間程でがんの診断を行い、1ヶ月程度で手術などの治療へ入っていきます。一方、早期の乳癌を疑うような病変については、MRIやCTを先に撮影したりすることで、診断までに時間を要することがあります。乳腺には、将来乳癌になりうるような、いわゆるグレーゾーンの病変ができることもあり、そういった方は定期的な経過観察が必要となることがあります。

 乳腺外科は外科の一分野であり、外科の医師たちと協同して診療を行っております。また、検査部門、放射線科、病理診断科、緩和ケア内科、化学療法センター、遺伝相談室、医療連携室などとの連携によるチーム医療で総合的に患者さんをサポートする体制を整えています。

 最後に、乳癌は今や9人に1人の女性が生涯のうちにかかる病気です。乳癌はなるべく早い時期に治療すれば治る方が多い病気です。乳癌を早期に発見するためには患者さんの協力が不可欠です。乳癌検診を定期的に受けていただくことに加えて、月1回乳房の自己触診を行うことをお勧めします。乳癌検診については、当院の健康管理科でお申し込みを受け付けております。検診で異常を指摘された際や、しこりなどの自覚症状がある際には、当科の外来を受診してください。


 外来については予約制となりますので、専門医の診察および治療を希望される場合は必ず予約を取って受診してください。予約外で来院された場合は、初診医が、診察・問診・検査等を行い、そのあと後日、必要な検査の説明・予約をさせていただきます。