脊椎脊髄センター
医長・センター長 福岡 俊樹
当センターでは高度に専門化した脳神経外科医が、脊椎脊髄疾患による様々な症状を患っておられる方々を総合的に診断し治療する事を目指しています。
当センターで行っている治療
頚椎から腰椎にいたるすべての脊椎脊髄領域の治療を一括して行っています。扱う疾患も、頚椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症などの変性疾患や、近年急増している高齢者の脊椎圧迫骨折に加え、当院の特長でもある救命救急センターに搬送されてこられる重度の脊椎外傷など、多岐にわたっています。いずれにせよ、なるべく患者さんの負担が少ないよう低侵襲な手術を選択し、リハビリテーション科と連携して早期に離床を図り、満足いただけるよう心かげています。
手術に積極的に取り組んでいるだけでなく、保存的治療についても重要視しており、まずは薬物療法やコルセット療法、神経ブロックなどの治療にて、なるべく手術を避けて症状を改善させることを目指します。
日本における脳神経外科とは
欧米では、脊椎脊髄疾患の7割以上が“Neurosurgeon”(神経外科医)によって治療されています。“Neurosurgeon”とは神経全般を扱う外科医です。日本では「脳神経外科医」あるいは「脳外科医」という呼称になってしまった歴史があり、脳以外は扱っていないと考えられてしまうことがありますが、日本脳神経外科学会には細分化された分野として「脊髄外科学分野」があります。近年、本邦でも脳神経外科医が携わる脊椎脊髄手術は飛躍的に増えており、高度で安全な医療を国民の皆様に提供できる環境が整いつつあります。
当院では脊椎脊髄疾患の治療にあたる医師の全てが、頭蓋内の一般の脳神経外科に関する知識や手術を十分に修練した脳神経外科医です。我々脳神経外科医が脊椎脊髄疾患を扱うことの利点は、脳を含め神経症状を一括して診ることができること、そして顕微鏡手術に長けていることです。顕微鏡を使用することにより神経を愛護的に扱い、低侵襲で安全な神経減圧を行うことを可能にしています。
患者様へメッセージ
当センターでは、連日脊椎脊髄疾患の治療に当たっております。例えば、もはや国民病でもある腰痛症に悩んでおられる方は非常に多いです。脊椎疾患は命に直接関わらない疾患だけに、いかにご満足いただけるかを重要視しています。治療の限界はありますが、お悩みの症状に対してなるべくご期待に添えるよう心かげています。首の痛み、腰痛、手足の痛み・しびれなど、脊椎脊髄に関する症状にお悩みの方は、お気軽に当センターにてご相談ください。
医療関係者様向けに脊椎脊髄センターご紹介パンフレットを刊行いたしました。ぜひご覧ください。