DPC特定病院群の指定について
DPC特定病院群の指定について
名古屋掖済会病院は、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)において、厚生労働省より「DPC特定病院群」の指定を受けました。
本ページでは、DPC特定病院群の概要と、当院が指定を受けた背景についてご案内いたします。
DPC制度とは
DPC制度(DPC/PDPS:Diagnosis Procedure Combination / Per-Diem Payment System)は、急性期入院医療を対象とした診療報酬の支払い方式です。患者さんの病名や治療内容に応じて分類された「診断群分類」をもとに、1日あたりの医療費を算定する仕組みで、全国の急性期入院医療を担う多くの病院が参加しています。
厚生労働省は、DPC対象病院をその診療実績に応じて以下の3つの病院群に分類しています。
※令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)より、DPC標準病院群が救急搬送受入実績等に応じて2区分(標準病院群1・2)に再編されました。
DPC特定病院群の指定要件
DPC特定病院群は、大学病院本院群以外のDPC対象病院のうち、「大学病院本院に準じた診療密度と一定の機能を有する」と評価された医療機関に対して厚生労働省が指定するものです。次の4つの観点から診療実績が評価され、すべての要件を満たすことが必要とされています。
愛知県内のDPC特定病院群
令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)において、愛知県内で「DPC特定病院群」に指定されている医療機関は以下の14病院です。
- 愛知県がんセンター
- 名古屋市立大学医学部附属東部医療センター
- 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院
- 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院
- 名古屋掖済会病院(当院)
- 独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院
- 豊橋市民病院
- 一宮西病院
- 医療法人徳洲会名古屋徳洲会総合病院
- 愛知県厚生農業協同組合連合会豊田厚生病院
- 愛知県厚生農業協同組合連合会安城更生病院
- 愛知県厚生農業協同組合連合会江南厚生病院
- 小牧市民病院
- 愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院
指定を受けて
指定要件が示す急性期医療提供体制
DPC特定病院群の4要件は、急性期入院医療を担う病院機能を多面的に評価する設計となっています。各要件が臨床的に何を意味するのか、ご紹介の判断材料として整理いたしました。
① 診療密度
全DPC対象病院の平均的な患者構成と仮定したうえでの「1日あたり包括範囲出来高点数」を算出する指標です。投薬・処置・検査・画像・手術関連処置等を1入院あたりに集中投下できる体制があることを意味します。術後の集中管理、合併症発生時の迅速な対応、複数科の同時介入を要する複雑症例の受け入れを支える基盤となります。
② 医師研修の実施
基幹型臨床研修病院における免許取得後2年目までの研修医配置数を、許可病床1床あたりで評価する指標です。指導医配置と症例の多様性が確保されていることが前提となり、専門医研修プログラムの基幹施設・連携施設としての機能とも親和性が高い要件です。主治医不在時のバックアップ体制や、当直帯における若手医師+指導医のチーム医療提供に直結します。
③ 高度な医療技術の実施
外科系については外保連試案に基づき手術実施症例の難易度・件数・DPC算定病床あたりの実施密度を、内科系については特定内科診療の対象症例割合・件数を評価します。6項目のうち5項目以上を満たすことが要件です。標準的な手術・処置を超える高難度手術や、内科系における重症急性期病態への対応実績が客観的に評価された指標です。
④ 重症患者に対する診療の実施
重症DPC補正後の複雑性指数で評価される要件です。複数併存疾患や高齢重症例など、医療資源投入量の大きい症例を一定割合以上扱っていることを意味します。多臓器不全リスクのある高齢者救急、術後合併症併発例、内科的バックグラウンドの複雑な周術期症例等、ご紹介いただく際に重症化リスクを伴う患者さんの受け入れに資する体制と評価されました。
基礎係数と機能評価の位置づけ
DPC特定病院群の基礎係数は令和8年度改定で 1.0769(標準病院群1:1.0583、標準病院群2:1.0283、大学病院本院群:1.1245)に設定されました。基礎係数の差は単なる収益指標ではなく、「重症患者を受けながら早期離床・早期退院を実現するための医療資源投入水準」が群ごとに想定されていることを意味します。当院は急性期入院医療の標準を上回る投入水準で運営することが前提となる病院群に位置づけられたことになります。
・「DPC特定病院群」は厚生労働省が定める医療機関群の名称であり、他の医療機関との優劣を示すものではありません。