中央放射線部
主な活動
X線撮影、骨密度測定、CT、MRI、マンモグラフィ、透視検査、血管撮影、核医学検査、放射線治療、ESWL、画像情報管理等、あらゆる放射線業務に対応しております。
患者さんへのメッセージ
中央放射線部では、すべての患者さんに安心して検査や治療を受けていただけるよう、日々努めております。私たちは、X線撮影・CT・MRI・マンモグラフィ・血管造影・核医学検査・放射線治療など、さまざまな画像診断・治療を通じて、正確な診断と最適な医療の提供に貢献しており、高度な機器を用いるだけでなく、患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添った対応を心がけています。
検査や治療に不安を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、放射線に関する専門的な知識と豊富な経験を持つスタッフが、安全・安心を第一に対応いたします。放射線による被ばくについて不安や疑問がある場合には、「医療被ばく相談」も行っておりますので、どうぞ遠慮なくご相談ください。また、検査結果は迅速かつ的確に医師へ届けられる体制を整えており、診療の質の向上にも貢献しています。
「見えない力で、見える安心を。」それが、私たち中央放射線部の使命です。
チカラを合せてチーム医療
画像診断や放射線治療は、病気の発見・診断・治療方針の決定において重要な役割を担っており、私たち診療放射線技師の正確な技術力がチーム全体の医療の質を支えています。
患者さんの健康を守るために、私たちは他職種とのコミュニケーションを大切にし、それぞれの専門性を活かして連携することで、より的確で迅速な医療の提供を目指しています。
これからも、中央放射線部はチームの一員として責任を持ち、患者さんにとって最良の医療を届けるために、力を合わせて歩んでまいります。
見学実習のお申し込み方法
①見学実習をご希望の学生の方は、こちらのフォームよりお申し込みください
②学校が発行する「実習誓約書」を下記までご郵送ください
〒454-8502 愛知県名古屋市中川区松年町4-66
名古屋掖済会病院 中央放射線部 技師長宛
医療関係者へのメッセージ
名古屋掖済会病院 中央放射線部では、地域医療のニーズにお応えできるよう、胸部・腹部の一般X線撮影から核医学検査、さらには放射線治療に至るまで、幅広いご依頼をお受けしております。
画像診断や放射線治療においては、質と精度の担保を重視し、信頼性の高い医療提供を目指して取り組んでおります。現在も、医療連携を行っている、かかりつけ医の先生方から、各種放射線検査をはじめ、放射線治療に至るまで多くのご依頼をいただいております。
検査のご予約は、当院の地域医療支援センター地域連携部門を通じて受け付けておりますので、ご用命の際はどうぞお気軽にお問い合わせください。また、検査結果および画像データは、エキサイネットを通じて院外のパソコンからもご確認いただくことが可能です。
万が一、検査の結果、専門的な治療が必要と判断された場合には、当院の各専門診療科と連携し、適切な医療を提供いたします。
今後も、患者さんと地域の医療機関の先生方にとって有益な画像情報の提供と、安心して医療を受けていただける体制の構築に努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
部門の紹介
X線一般撮影検査
当院では、胸部や腹部、全身の骨など、さまざまな部位に対するX線一般撮影を行っています。
正確な診断画像を得るためには、適切な角度やポジショニングが非常に重要です。
骨折などで痛みがある患者さまにも配慮し、可能な限り負担を軽減した撮影を心がけています。
撮影室は6室あり、すべての部屋にFPD（フラットパネルディテクタ）を導入しています。FPDは低線量でも高精度な画像を短時間で取得できるため、被ばく線量を抑え、効率的かつ高品質な検査が可能です。
骨密度検査
骨粗鬆症の診断目的で腰椎、大腿骨などの骨密度を測定してします。当院では、米国ホロジック社の骨密度測定装置Horizon(ホライゾン)を導入しており、検査が簡単・安心・高精度に行えます。検査結果は保存されていますので、定期的な検査により精度の高い診断が可能です。
マンモグラフィ（MMG）
マンモグラフィ検査は、乳房を圧迫して薄く伸ばした状態で撮影することで、乳がんなどの病変を発見するための検査です。
当院では、FUJIFILM社製の「AMULET Innovality」を使用しています。この装置は従来の2D撮影に加えて、乳房の断層画像を得ることができるトモシンセシス撮影にも対応しており、乳腺の重なりを解消し、より精度の高い情報を得ることができます。
当院は「日本乳がん検診精度管理中央機構」のマンモグラフィ検診施設画像認定を取得しており、認定資格を持った女性の診療放射線技師が撮影を担当していますので、安心して検査を受けていただけます。
X線透視検査
X線透視とは、透視画像をモニターで確認しながら撮影できる検査装置です。
当院には4台のX線透視装置が設置されており、それぞれの装置の特性を活かして各診療科の検査に対応しています。代表的な検査には、人間ドックなどで行う胃のバリウム検査（胃透視）や大腸のバリウム検査（注腸検査）があります。また、内視鏡や気管支鏡を併用した検査（ERCP、TBLBなど）、カテーテル挿入や骨折や脱臼に対する整復なども、X線透視装置を用いて実施しています。
血管造影検査
血管造影検査とは、鼠径部や手首などからカテーテルという細い管を血管内に挿入し、造影剤を注入することで、目的血管を描出する検査です。
描出された血管の病変に対して、内部からアプローチする「血管内治療（IVR）」を行います。これは外科手術に比べて侵襲が少なく、早期の退院が可能です。
当院には3つの血管撮影室があり、目的に応じて装置を使い分けています。
頭部血管撮影室（Infinix Celeve／2管球搭載）
主に頭頸部の血管治療に使用され、血管の拡張や塞栓を行います。3Dワークステーションを完備し、精密な手技が可能です。広い室内は全身麻酔下の頭部治療や循環補助装置併用の心疾患治療にも対応しています。
胸部血管撮影室（Alphenix／バイプレーン）
2024年に最新のアンギオ装置を導入し、主に心疾患に対応しています。AI搭載の画像処理により、被ばくを低減して高画質を実現。DDS機能やstent modeにより、ステントを高精細に描出し、冠動脈治療の精度向上に貢献しています。不整脈に対するアブレーション治療も行っており、CTの3D画像をリアルタイム透視とリンクさせることで精密な手技が可能となります。
2025年からは新たにPFA（Pulsed Field Ablation）も導入されました。
22番撮影室（Infinix Celeve／シングルプレーン）
ペースメーカーの挿入や、腫瘍に対する動脈塞栓術、四肢の血管治療（EVT）を積極的に実施しています。EVTは、脚の動脈の狭窄や閉塞による痛み、潰瘍、壊疽などの症状を改善する治療です。
CT検査
CT検査はX線を利用して身体の断層画像（輪切りにした画像）を撮影する検査です。再構成された画像により、任意の断面像や骨・血管などの3D画像も提供可能です。
当院では、80列CTを2台、320列CTを1台使用して検査を行っており、造影剤を使用しない単純CTと、造影剤を使用する造影CTのいずれにも対応しています。特に320列CTは、ベッド移動なしで最大16cmの範囲を一度に撮影できるため、心臓や脳の検査に適しており、短時間で高精度な画像を撮影することができます。
MRI検査
MRI検査は、強力な磁石と電磁波を使用して体内の断面画像を取得する検査です。X線を使用しないため、被ばくの心配はありません。
当院では1.5Tと3Tの装置を各1台ずつ導入しており、頭部や脊髄、消化器・泌尿器を含む体幹部、整形外科領域など幅広い部位の検査に対応しています。
Deep learningを活用したAI技術の搭載により、検査時間の短縮と高解像度な画像の提供が可能です。また、当院は三次救急病院であるため、脳卒中や脊髄損傷などに対する緊急検査にも24時間対応しています。
救命救急センター
救命救急センターには一般撮影装置、CT装置、血管撮影装置が設置されています。
一般撮影では痛みが強く体動が困難な場合もあるため、状態に合わせて負担の少ない撮影を心がけています。
CT室と血管撮影室は１枚の扉で隔てられており、血管撮影室にCT装置のガントリーを移動させて撮影することができます。診察、検査、治療を同じ部屋で完結することができ、このシステムをハイブリッドERといいます。ハイブリッドERでは重症患者様にとって負担となるベッド移動や検査室移動にかかる時間を大幅に軽減することができます。
核医学検査
核医学検査は、微量の放射性医薬品を体内に投与し、その分布を画像化または数値化することで、病気の診断や血流・代謝などの情報を得る検査法です。使用する放射性医薬品はごく微量であり、被ばく量も少ない安全性の高い検査です。
当院では、キヤノンメディカル社製のPET/CT装置1台、GEヘルスケア社製のSPECT/CT装置1台を導入し、質の高い核医学検査を提供しています。
放射線治療
放射線治療では、高いエネルギーの放射線を使用して治療を行っています。高精度な治療を行うためには、綿密な治療計画と装置の精度が重要であり、当院では複数のスタッフによるチェック体制を整えています。
治療時には体表面のマークによる位置合わせに加え、計画画像と実際の治療装置による画像を比較・補正することで、位置のずれを最小限に抑えています。放射線治療医、診療放射線技師、看護師、事務スタッフが連携し、患者さまに寄り添った安全かつ正確な治療を提供しています。
