薬剤部

部門の紹介

主な活動

薬剤部では調剤(処方箋を基に薬を取り揃える)、製剤(市販されていない薬を院内で調合する)、医薬品の供給・管理を担当しています。さらに全ての病棟に専任薬剤師を常駐させ薬剤管理指導・病棟薬剤業務を行ったり、緩和・化学療法センターでは抗がん剤治療から麻薬の取扱いまで、がん治療全般の管理・運営を薬剤師が中心となり行なっています。また地域の保険薬局との間で情報交換を行い(薬・薬連携)、病院の枠を越えて地域医療に貢献しています。

患者さんへのメッセージ

1994年8月より消化器科病棟への薬剤師の常駐を開始し、2012年4月からは救命・集中治療室を含む全ての病棟に薬剤師が常駐しています。患者さんが持参したお薬の確認や入院中のお薬の効果、副作用、飲み合わせをチェックしたり、患者さんへ服薬指導を担当したりしています。入院中は看護師や薬剤師が薬を飲めているか確認していますが、一定の割合で退院をきっかけに服用を止めたり用法を守らなかったりしてしまう患者さんもいます。入院中から「あなたはこういう病気だからこの薬を服用するとこのような効果があります」と薬の必要性を十分理解していただけるよう指導して、患者さん自身がご自分の治療に積極的に関われるよう支援しています。

化学療法センターではがん治療に精通した薬剤師が中心となり、抗がん剤の投与量や投与スケジュールが適切か、吐き気など副作用を軽減する対応はできているかなどを確認し、常に最新の情報を患者さんにお届けできるよう心がけています。

Instagramアイコン薬剤部の日常をご紹介しています

チカラを合せてチーム医療

院内には医師・薬剤師・看護師をはじめ様々な職種が協働している院内感染制御チーム(ICT)、緩和ケアチーム(PCT)、栄養サポートチーム(NST)、褥創対策チームなどがありますが、その中で薬剤師としての専門性を活かした支援を行っております。例えば、緩和ケアチームでは、緩和ケア内科の医師やがん疼痛認定看護師と共にがん専門薬剤師がチームの一員となり、疼痛コントロールだけでなく、がんの終末期に起こる様々な症状に対し対応しています。

また薬剤師の活躍は院外にも及んでいます。東日本大震災の時は医療救護班やDMAT(災害派遣医療チーム)の一員として薬剤師も救援に参加しておりました。

医療関係者へのメッセージ

当院の診療科では外来患者さんに対して院外処方箋を発行しております。保険薬局の薬剤師様から疑義照会があった場合には、当院では薬剤部が窓口になって対応しております。病院によっては処方箋を発行した医師に直接連絡して疑義照会するケースが多いようですが、病院薬剤師が仲介役となった方が質問の意図が正確に伝わり医師に照会内容を正しく理解してもらえるなどの利点があり、地域の薬剤師会からも高い評価を戴いています。

当院で入院されていた糖尿病や虚血性心疾患の患者さんに対しては保険薬局の薬剤師様と薬・薬連携しながら継続フォローしております。当院薬剤師から「入院中における薬の管理について評価したチェックシート」を保険薬局の薬剤師様にお送りします。患者さんが退院してしまうと当院の薬剤師は患者さんの服薬や健康チェックに関与することができなくなるため、保険薬局の薬剤師様に「退院後も継続して薬が服用できているか」確認していただき、チェックシートを当院までフィードバックしていただいております。そうすることで入院治療が再度必要になった時、これまでの投薬管理を正確に把握することができ、患者さんの治療に役立てることができています。

今後ともご支援賜りますようよろしくお願いいたします。

名古屋掖済会病院では、保険薬局からの疑義照会及び後発医薬品調剤報告書をFAXで受け付けております。当院指定の用紙に内容を記載し、FAXで薬剤部宛に送信してください。

院外処方箋における問い合わせ簡素化プロトコル

2010年4月30日付 厚生労働省医政局長通知 「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」を踏まえ、プロトコルに基づく薬物治療管理の一環として、調剤上の典型的な変更に伴う問い合わせを減らし、患者への薬学的ケアの充実および処方医師の負担軽減を図る目的で「院外処方箋における問い合わせ簡素化プロトコル」を運用しております。

本プロトコルを適正に運用するため、運用開始にあたっては、プロトコルの趣旨や各項目の詳細について当院担当者から説明をお聞きいただいた上で、合意書を交わすことを条件にしております。本取り組みへの参画をご希望される応需薬局は、まず当院薬剤部までご連絡ください。

本内容を本来の目的以外に使用することや、当院の許可なくして複製・転載することはご遠慮ください。

【問い合わせ先】 
名古屋掖済会病院 薬剤部
TEL:052-652-7711  FAX:052-652-7637
受付時間:平日8時20分~16時50分

薬・薬連携

①糖尿病・虚血性心疾患

当院に通院する糖尿病や虚血性心疾患患者さん、さらに吸入指導の必要な患者さんに対して地域の保険薬局の先生方と薬・薬連携を行なっています。
糖尿病、虚血性心疾患の患者さんに対しては、「服薬指導情報提供書」をご活用頂き、その際にお気づきの点がありましたら当院薬剤部宛にFAXを送信して下さい。
吸入指導の必要な患者さん対しては、名古屋南部地域にて導入している「統一吸入指導箋」を吸入手技の確認、指導等にご活用頂き、その際にお気づきの点がありましたら当院薬剤部宛にFAXを送信して下さい。
どちらの情報も薬剤部で内容を把握した上で主治医にフィードバックし、よりよい患者の治療に役立たせて頂きます。

②がん化学療法レジメン公開について

がん治療で通院されている患者さんに、安全かつ適正に治療を継続するにあたり、地域の保険薬局の先生方と連携していくことを目的として、当院で実施されるがん化学療法のレジメン情報を公開させていただきます。
投与量、投与スケジュール等は個々の患者さんの状態により変更する場合もあります。
がんで治療中の患者さんについて、お気づきの点がございましたら、「トレーシングレポート用紙」をご活用いただき、当院薬剤部宛にFAXを送信してください。化学療法センター薬剤師にて内容を把握し、主治医へフィードバックさせていただきます。

レジメン一覧

トレーシングレポート

共通トレーシングレポート

薬剤部について

患者さんが安心かつ安全に薬物治療を受けられるように支援します

1.責任者

薬剤部長 稲垣 正巳

2.職員数

46名(薬剤師41名、事務員5名)

3.当直体制

月 ~ 金
当直 16:50~翌日8:20 1名

土、日、祝
日直 8:20~16:50 1名
当直 16:50~翌日8:20 1名

4.業務内容

調剤室

調剤室では、医師の処方したお薬の量や飲み方が適正か、他のお薬や食べ物との飲み合わせに問題がないか等を確認してから調剤を行っています。処方内容に疑問があれば、電子カルテの参照や医師に問い合わせを行なった後、調剤しています。医師の依頼や患者さんの要望で、お薬の服用時間ごとの一包化(1回分ずつまとめて分包する)や、錠剤やカプセル剤を粉砕し服用しやすい剤形にして提供しています。また、保険薬局様からの疑義照会に対しても、院内処方と同様に電子カルテの参照や医師に問い合わせを行なって対応しております。

製剤室

製剤室では、調剤の手間を省くために予め調製することが可能な予製剤、病棟や外来診療で繁用されている消毒剤等の調製を行っています。また、医師からの依頼により市販されていない特殊製剤についても安全面や衛生面に配慮して調製を行っています。

病棟業務

<一般病棟・緩和病棟>
当薬剤部では、病棟常駐型の薬剤管理指導業務を行っています。業務内容としては、病棟定数配置薬、麻薬・向精神薬・毒薬等の薬品管理、ハイリスク医薬品の管理、患者持参薬の鑑別・記載、入院患者またはその御家族に対する服薬指導、配薬カートの薬剤セット、医療スタッフへの医薬品情報の提供、医薬品の安全管理、抗菌薬の初期投与設計、TDM(薬物血中濃度モニタリング)など多岐にわたります。薬剤師が病棟に常駐することで、患者情報を迅速かつ的確に収集して薬剤投与後の有効性や安全性を評価することが可能となります。医師に対して投与量の増減や他の薬品への変更等を提案することにより、患者さんが効果的な薬物療法が受けられるよう支援しています。
<救命救急室・集中治療室>
集中治療室(ICU、HCU)・救命救急室(HCU)では、外因性・内因性と多岐に渡る疾患の患者さんに対して、投薬評価、点滴ルートの設計、感染症、特に抗MRSA薬に対するTDM(薬物血中濃度モニタリング)、栄養評価などを行っています。急性期の病態は、全身状態が刻々と変化しているため、1日に何度もベッドサイドに足を運び、医師・看護師と連携しながら薬物療法に貢献しています。また、東日本大震災の医療救護班やDMAT活動等にも積極的に参加しています。

化学療法センター

化学療法センターでは、レジメンの整備・処方鑑査、無菌調製を行っています。処方鑑査では、投与量やスケジュールの確認だけでなく、治療方針についての協議や支持療法の提案などを行い積極的に薬物療法に介入しています。

薬品管理室

薬品管理室では、約1400品目の医薬品を取り扱い、円滑な医療を提供するために、購入、保管、品質、供給といった薬品の管理全般、さらに医療用ガスの保管管理を行っています。向精神薬、毒薬、劇薬、特定生物由来製品に関しては、各関係法規に従い厳重な保管管理を行っています。

DI室

安全かつ有効な薬物療法を提供できるように、医薬品情報の収集、整理および提供と医薬品情報に係る全般を担っています。また副作用情報の収集やプレアボイド報告の収集も積極的に行っております。病棟業務の拠点として、また医薬品情報の発信基地として病棟薬剤師、医師や看護師を支援しています。

5.職員が就業に必要とする免許以外(学会認定資格等)の資格名と氏名

日本医療薬学会 がん指導薬剤師 牛膓沙織
日本医療薬学会 がん専門薬剤師 牛膓沙織、野村翔
日本糖尿病療養指導士認定機構
日本糖尿病療養指導士
伊藤稔宏、加藤まゆ
日本臨床救急医学会
救急認定薬剤師
岡部静子
日本静脈経腸栄養学会
栄養サポートチーム専門療法士
早瀬友和、佐藤裕介、新木智映子
日本病院薬剤師会
感染制御認定薬剤師
二神諒子
日本化学療法学会
抗菌化学療法認定薬剤師
二神諒子、横山優樹、松山陽香、淺井俊平
日本骨粗鬆症学会
骨粗鬆症マネージャー
足立浩子、千馬由季
(公財)日本リウマチ財団
リウマチ登録薬剤師
足立浩子
日本病院薬剤師会
病院薬学認定薬剤師
池上信昭、牛膓沙織、二神諒子、
野村翔、岡部静子、佐藤琢磨、淺井俊平、松田美琴、加藤まゆ、内田歩依、服部友美
日本小児臨床薬理学会 日本薬剤師研修センター
小児薬物療法認定薬剤師
岡部静子、松田美琴
日本循環器学会
心不全療養指導士
花井仁美、清澤しほ、加藤まゆ
日本麻酔科学会
周術期管理チーム認定薬剤師
佐藤裕介、安田愛実
日本麻酔科学会
術後疼痛管理研修 修了
佐藤裕介
日本薬剤師研修センター
認定実務実習指導薬剤師
池上信昭、稲垣正巳、牛膓沙織、岡部静子、加藤まゆ
日本病院薬剤師会
認定指導薬剤師
池上信昭、岡部静子
日本薬剤師研修センター
認定薬剤師
岡部静子
薬学教育協議会
認定実務実習指導薬剤師
新井孝文
日本医療情報学会
医療情報技師
稲垣正巳、吉川依里
日本遺伝子カウンセラー制度委員会
遺伝子カウンセラー
山岡貴花
博士(医学) 横山優樹

6.認定施設

日本医療薬学会   がん専門薬剤師研修施設
日本病院薬剤師会  プレアボイド報告施設
薬学教育協議会   薬学生長期実務実習受入施設