地域連携クリニカルパス

名古屋掖済会病院と地域の医療機関による共同診療計画

切れ目のない安心の医療を地域全体で支える

名古屋掖済会病院では、患者さんが退院後も住み慣れた地域で質の高い医療とサポートを受けられるよう、地域の診療所、病院、そして介護事業所と連携し、「地域連携クリニカルパス(地域連携パス)」を運用しています。

地域連携パスは、病気の診断から急性期治療、そして退院後の療養生活全般(リハビリテーションや定期的な経過観察、在宅ケアなど)に至るまで、あらかじめ治療やケアの計画を共同で定めた診療計画書です。医療に関わる多職種がこの共通の目標と役割を共有することで、患者さんを中心とした切れ目のない医療提供体制を築いています。

地域連携パスを活用するメリット

  • 治療の継続性・安心感:

どの医療機関にいても、統一された基準で、途切れることのない適切な治療・ケアを受けられます。

  • 通院負担の軽減・効率化

安定期に入った後の定期的な通院は、地理的に近い「かかりつけ医」が行うなど、患者さんの負担軽減と医療の効率化を図ります。

  • 迅速な情報共有:

病院と地域の先生方が情報を密に共有しているため、患者さんに異変が生じた際の対応もスムーズです。


種類 共同診療計画書 連携医療機関・資料
大腿骨頸部骨折
頚部骨折
連携医療機関一覧
脳卒中(脳梗塞・脳出血など)
脳卒中連携パス
がん
胃がん術後地域連携パス

連携登録先がん診療施設 | 連携登録医の皆様へ | 医療連携 | 名古屋掖済会

胃がん内視鏡治療後地域連携パス(患者用)

大腸がん術後地域連携パス

肝臓がん地域連携パス

肺がん術後経過観察地域連携パス

肺がん術後UFT内服地域連携パス

乳がん地域連携パス

乳がん地域連携パス(エスワン併用)

前立腺がん術後地域連携パス

前立腺がん放射線治療後地域連携パス

地域連携クリニカルパスに関するQ&A

1. 地域連携パスの基本的な内容について

Q1. 地域連携パスとは何ですか?

A. 患者さんが当院での急性期治療を終えられた後、ご自宅や地域の診療所、リハビリテーション病院で安心して療養を続けられるよう、当院と地域の医療機関が共同で作成した診療計画書です。治療や検査、リハビリテーションの目標やスケジュールを共有することで、切れ目のない質の高い医療を提供することを目指しています。

Q2. パスを利用すると、どのようなメリットがありますか?

A. 主なメリットは以下の通りです。

  • 安心感の向上: 治療の全体像や今後の流れを事前に把握できるため、安心して療養に専念できます。
  • スムーズな連携: 当院と地域の先生方(かかりつけ医など)の間で、患者さんの治療情報が確実に共有され、転院・退院後の診療やケアが円滑に進みます。
  • 通院負担の軽減: 安定期に入った後の定期的な検査や診察を、ご自宅近くの連携医療機関(かかりつけ医)で行うことができ、通院の負担が軽減されます。(主にがん・PCI術後パス)

Q3. パスの利用は必須ですか?

A. 地域連携パスは、患者さんの治療の継続と生活を支える上で推奨される仕組みですが、最終的な利用は患者さんご本人とご家族のご意向に基づきます。 パスの内容についてご説明させていただき、同意をいただいた上で運用を開始します。ご不明な点やご希望があれば、医師や地域医療連携室にご相談ください。

2. がん地域連携パスについて

Q4. がんパスを利用するのはどのような時ですか?

A. 主に、当院でがんの手術や化学療法などの急性期治療が終了した後、退院されてからの経過観察再発予防のための定期的な診察、または**痛みの管理(緩和ケア)**が必要な時に利用します。当院とかかりつけ医が役割分担し、患者さんの退院後の生活を共同でサポートします。

Q5. がんパス利用中、定期的な検査はどこで受けますか?

A. 連携パスでは、多くの場合、安定期の定期的な診察や基本的な血液検査などは、ご自宅近くの連携医療機関(かかりつけ医)で受けていただきます。ただし、高度な画像検査(CT、MRIなど)や専門的な診察が必要な場合は、計画に基づき名古屋掖済会病院を受診していただきます。これにより、患者さんの通院負担を減らしつつ、専門的なフォローアップを継続できます。

Q6. がんが再発してしまった場合、どうなりますか?

A. がん地域連携パスは、万が一の再発・転移に備えた連携体制も含まれています。かかりつけ医の先生が異変を察知された際は、速やかに当院へ情報が共有され、当院の専門医が迅速に対応できるようになっています。パスを利用することで、緊急時にもスムーズに専門的な治療へ移行できます。

3. その他(運用・相談窓口)

Q7. 地域連携パスを利用中に途中で内容が変わることはありますか?

A. はい。地域連携パスはあくまで治療の標準的な計画ですが、患者さんの病状や生活環境は変化することがあります。医師や連携医療機関が必要と判断した場合、患者さんの状況に合わせてパスの内容や期間を見直したり、連携医療機関の先生と相談の上、より適切な治療方針に変更することがあります。

Q8. 地域連携パスについて質問や相談をしたいのですが、どこに連絡すればよいですか?

A. 地域連携パスに関するご相談や、連携医療機関についてのお問い合わせは、当院の地域医療支援センターにお気軽にご連絡ください。

【名古屋掖済会病院 地域医療支援センター】

電話番号:052-652-7781(直通)

受付時間:平日 8:20~16:50

4. 連携を希望される医療機関の皆様へ(医療従事者向け)

Q9. 地域連携パスへの参加や連携医療機関への登録はどのように行えばよいですか?

A. 名古屋掖済会病院が運用する地域連携パスの共同診療にご協力いただける医療機関様を歓迎しております。

新規の連携医療機関の登録をご希望でしたら、名古屋掖済会病院 地域医療支援センターまでご連絡ください。 地域医療支援センターにて、地域連携パスの具体的な運用方法や情報共有の流れについてご説明させていただきます。

【名古屋掖済会病院 地域医療支援センター】

電話番号:052-652-7781(直通)

受付時間:平日 8:20~16:50