泌尿器科でのロボット支援手術

当院泌尿器科でのロボット支援手術

名古屋掖済会病院 泌尿器科では2018年11月より『ダヴィンチ』(da Vinci X Surgical System)を使用したロボット支援手術を開始しております。現時点ではロボット支援根治的前立腺全摘術と腎部分切除術(下記に紹介)を開始しており、どちらも良好な治療成績をおさめております。ダヴィンチシステムの導入と手術開始にあたりロボット支援手術専属のスタッフで構成されたダヴィンチチームを作り、チームで患者様の手術治療を行っております。今後、当泌尿器科では膀胱癌に対するロボット支援下膀胱全摘術の開始も視野に入れており、麻酔科医師、看護師、臨床工学士など手術に関わるスタッフと共に定期的に検討会やトレーニングなどを行い、より安全で精度の高い手術を行えるように鋭意努力していきたいと考えております。

名古屋掖済会病院泌尿器科で行う事ができるロボット支援手術

『ロボット支援根治的前立腺全摘術』

ロボット支援根治的前立腺全摘術とは限局性前立腺癌の患者様に対する治療法の1つであり、前立腺と精囊を摘出し尿道と膀胱を吻合します。開腹手術と比較して傷が小さく術後の痛みが軽度であるため手術後の回復が早く入院期間も約7-10日間程度です。特にロボット手術の利点として出血量が少なく前立腺周囲に走行している神経血管束を温存する事が可能であり、術後の尿失禁や性機能の回復が早い事が挙げられます。

『ロボット支援腎部分切除術』

ロボット支援腎部分切除術とは限局性腎腫瘍の患者様に対する治療法の1つであり、腫瘍が小さく(4cm以下、場合によっては7cm以下)完全に切除できると判断された場合や反対側の腎機能低下があり可能な限り腎機能の温存が必要な場合に選択されます。ロボット支援で行う利点としては傷が小さく、出血量・合併症が少ない事が挙げられ、癌の根治性、腎機能温存、合併症の低下が通常の腹腔鏡手術より期待できると言われています。