“診療の道しるべ”を描く――放射線科スペシャルインタビュー

医師になろうと思ったきっかけ

浅井:子どもの頃、病気で長く入院したことがありました。毎日の検査や処置は大変でしたね。しかし、そこで医師の姿を身近に感じ、自立して仕事に取り組む姿勢から「医師になって人の役に立ちたい」という思いにつながりました。
放射線科を選んだのは、研修医のときに当時最新の画像機器に触れたことがきっかけでした。
風間:私の親族に個性的な医師が多く、それぞれが自分の得意や特性を活かして働いていました。自分も2,3歳頃には医師になると宣言していて、誰にも反対されることなく医学部へ。
学生時代に放射線科のカリスマ的教授と出会い、その奥深さにひかれて放射線科に進みました。
放射線科ってどんな科?

浅井:放射線科は、CTやMRIなどの画像をもとに「病気があるか」「どのくらい広がっているか」を調べる科です。各診療科の先生が治療を決めるときの“道しるべ”となる情報をつくっています。”Doctor’s Doctor”と言われています。
風間:画像だけを見て終わりではありません。血液検査やこれまでの病気の経過など、患者さん一人ひとりの背景を合わせて考える必要があります。同じ病気でもその人のベースの状態によって見え方が違うので、私たちが丁寧に見ていくことがとても大切なんです。
大切にしていること

浅井:画像診断は、たくさんの情報を組み立てて答えを導く作業です。
過去画像や他の検査画像、臨床情報、検査データもできるだけ参照するよう心がけています。途中で中断すると効率が著しく低下するので、集中して、責任を持って質の高いレポートを出すように心がけています。
風間:私たちの診断は、その後の治療の選び方に直結します。
だからこそ「この方にとって一番いい答えは何だろう」と考えながら取り組んでいます。放射線科は表に出ることは少ないですが、医療を支える大切な役割を担っていると感じています。
すこしだけ素顔紹介

風間:いまは息子が昆虫に夢中で、家には20以上の虫かごがあります。休みの日は生き餌の調達や虫籠の掃除で大忙し。もうこちらが大仕事になっています(笑)。
浅井:私は鉄道が好きで、将棋はアマ三段。さらに手話技能検定3級も持っています。将来は病院専属の手話通訳士になるのが夢です。