

当院の救命救急センターはER型のシステムを採用し、10名を越える救急の専従医が所属しております。「救急科医から手厚い指導を受ける」ことが出来るため「質の高い救急」を学べる病院です。この恵まれた環境で若い医師たちには「トリアージ能力」と「患者様を思いやる心」をぜひ身につけてほしいと考えています。
救急では「心肺蘇生・穿刺などの手技をマスターする」ことも大事ではあるのですが、当院では「軽症に見える患者様の中から重症者を見つけ出す能力」や「あらゆる症状の患者様に対し初期対応できる能力」を身につけることに重点を置いています。
また患者様は「体が辛い・痛い・大きな病気かもしれない」と少なからず不安を持って病院を訪れています。当院で研修を受ける若い医師たちには、患者様やご家族様の不安に思う気持ちをしっかり受け止め、症状だけを診るのではなく心理的なサポートまで出来る人間性を身につけてほしいと考えております。

救急科医の人数が充実していることはたくさんのメリットを享受してくれます。例えば「見逃し症例」についてです。胸が痛いという主訴であれば最初に心筋梗塞を疑う、これは基本的な流れでありますが、腹痛を強く訴える患者様が実は心筋梗塞だったりすることもあるのです。数多くの症例の中には、症状が解り難かったり患者様自身が言わないケースなどもあります。クモ膜下出血なのに典型的な頭痛の症状が出ない、というのも数多くの救急をこなしている現場ではよくある話です。こういった事例はトリアージ能力を十分身につけていない医師では見つけるのが困難ですが、たくさんの症例を診てきた救急科医は見逃し症例が起きやすいパターンをよく知っています。
そういった救急科医の指導を受けながら、見逃しやすい症例を注目して診ることができ、さらに専門医からフィードバックを受けることで自然と「見逃さない」目が備わってくるでしょう。経験が積み重なれば自信に繋がりますし、将来どの科に進むことになっても「初期対応・急変に強い」という特技を持った、どこへ行っても通用する医師になれると思います。

当院の研修プログラムのコンセプトは明確です。日々の診療を展開する中で「通用する臨床能力」そして「病気を診るのではなくその人を診る心」を身につけた医師を育成することです。
救急に興味のある方は、救急科医の背中がしっかり見える環境でたくさんのことを学び取っていただきたいと思いますが、将来的に専門分野に進みたい方にもぜひ「私は専門医だけれど、どんな患者様でも自信を持って初期対応が出来る」と言える医師になっていただきたいと願っております。
私の部屋と研修医の部屋はすぐ近くにあり、よく(部屋の入り口に掛けてある)ピンクの暖簾をくぐって若い医師たちが相談にやって来ます。当院を見学された際には医学生の皆さんも暖簾をくぐって是非私に会いに来てください。
最後になりましたが、同じ医師としての道を歩むことを選んだ同胞に、心からのエールを送ります。

私は今までいくつかの病院で仕事をしてきましたが、当院は「救急の本気度が違う」と感じています。病院という大きな組織が一丸となって医療を展開するためには「核」が必要であり、当院では「救急」がそれにあたります。
救急を核とする当院では「たくさんの症例に触れられる」「救急科医に指導してもらえる」など充実した研修プログラムを提供することができ、救急を経験することでプライマリーケアに自信を持つことが出来ると思います。
当院にて研修医プログラムを受け、それぞれの道に進んだ医師たちが「自分に基礎を教え、育ててくれた救急は”故郷”のような場所だ」ということを言ってくれるのです。救急でともに奮闘した仲間とは、たとえ違う診療科に進んでも「救急で繋がっている」と感じているようで、科を越えた絆が持てるというのも当院の特徴です。

診療科の垣根が低いだけでなく、上下の距離が近いうえ「教え好きな指導医が多い」というのも当院のアピールしたいポイントです。また「ヒエラルキーのトップに医師がいて、上位にいる医師の号令に従って他職種のスタッフが動く病院」も世の中には少なからずあるかと思いますが、当院では「患者様を救うのに上下も職種も関係ない横一線」という風土があります。ある指導医は「目の前の人を助けるのに、それぞれが得意な領域で力を出し合って助ければいい」「医者がトップである必要はない」と話してくれました。
加えて当院の指導医のすごいところは「研修医から教えてもらうことで得るものがあることを知っている人たち」だということです。専門性の高い道を進んでいる医師は、研修医からローテーションの中で診てきたこと・大学で教わった新しい知識や技術を学ばせてもらうことがあると本気で考えています。私はそういう思考を持った医師が集まっていることに誇りを感じています。そういう医師が多いため、自身の診療科と異なる科に進もうとしている研修医に対しても熱い指導が行われます。例えば血液内科に進むことを決めた若い医師に「これから内科の道に進むのなら、外科の領域でこれだけは覚えておいた方が良い」と熱心に指導する外科の先生がいたりするのです。

研修医制度はやり直しのきかない2年間です。もしかすると名古屋掖済会病院に入った後に「思っていた病院と違ったのかな」と不安に感じる人もいるかもしれません。一期一会の中で名古屋掖済会病院を選んでくれたわけですから、万が一にも当院になじめないと感じてしまった人にも全力でサポートしていきたいと考えています。
医学生さんたちは「救急は大事だ、過酷だ、若いうちしか出来ない」と知っていると思います。当院の門を叩く医師の多くは救急をやりたい人ですが、私は「キャリアアップのために少しだけ救急がやりたい」という人がいてもいいと思うのです。
名古屋掖済会病院は「救急だけの病院」ではありません。救急を支えているそれぞれの診療科のレベルが高いから「断らない救急」が可能なのです。将来的に「救急以外」の科に進みたいと考えている人にも、当院の門を是非叩いてほしいと思っています。ここでの経験は、あなたの医師としての基礎を作る上で価値ある体験になるものと信じています。

名古屋はどの病院も救急を積極的に受け入れる地域だと感じています。その中で当院の特徴というのは「指導を受けながら救急の患者様に接し、トリアージ能力を身につけることができる点」です。
当院の初期研修医は徹底的に救急の経験を積むことで、どんな症状の患者様にも適切なアプローチの方法を身につけていくことを目指しています。また「研修医だけで数をこなす救急」ではなく「経験豊かな指導医たちから的確な指導を受けることのできる救急」であります。医師として初めの2年間で十分な経験を積むことで「整形を専攻しても腹部の内傷を見逃したりしない」「循環器を専攻しても敗血症を見逃さない」などといった緊急事態に強い医師を育てることができるのです。

当院の研修医プログラムを受けて育った医師たちからは「救急ではたくさんの症例を見ることができ、大変ではあったが医師として成長する上で貴重な経験であった」という声を聞きます。救急の中で研修医も指導医も一丸となって頑張った経験があるからこそ、当院で育つ多くの医師たちは「救急は原点である」と感じています。
初期研修が修了し研修医たちがそれぞれの診療科に進んだときに「救急」に見せる態度というのは「初期研修の段階で満足のいくものが得られたか」に対する評価であると我々は受け止めています。そして嬉しいことに、当院の後期研修医達は「救急に対して非常に協力的な姿勢」を行動で示してくれます。さらに、そういう協力的な姿をお手本にして、後輩たちである若い研修医たちが「救急中心の医療」を受け継いでくれているのです。

私は若い医師たちに「他の診療科の医師たちが救急を助けてくれることに感謝する気持ちを忘れてはいけないよ」と指導しています。病院全体で救急に取り組む当院では「救急救命センター」は窓口の一つでしかない。それぞれの診療科は救急を支えることのできるハイレベルな医療を備えており、すべての専門医の協力があるからこそ「救急を断らない病院」を実現できているのです。

当院は1次から3次まで幅広く受け入れる病院です。平成18年に新・救命救急センターを開設し、より多くの患者様を受け入れられるよう、人材の育成、設備の充実などに力を注いできました。センターのハード面はもとより、ここで働く医師や看護師、コメディカルスタッフがどういう姿勢で医療に取り組んでいるかについては、是非あなた自身の目でご覧戴きたいと思います。見学はいつでも大歓迎ですよ。

































